ほんの少し
昔から、サプライズってどうも苦手で。
苦手っていうのは、受ける側じゃなく仕掛ける側の話。
アイディアを思いついて、あれこれ準備する。
そこまではいい。
考えるのも、動くのも嫌いじゃない。
むしろ大切な人のためなら、楽しく感じられるから。
じゃあ何が苦手かって…。
相手の喜んだ顔や驚いた顔。
想像したら、どうしてもにやにやしてしまったり。
うまくいくかなって考えて、必要以上にそわそわしたり。
何事もなかったかのように装っている友人たちもなんだかおかしくて、
笑いを堪えるのに必死だったこともあったり…。
そんな自分のせいで、計画がバレたり、バレかけたりして、
もうちょっとうまくやれよって怒られたこともあったかな…。
誤魔化すために咄嗟に出た言葉や動きが、
長い間友人たちの笑いのネタになったりすることもしょっちゅうで。
そういえば、好きな子ができたとき、言ってないのに周りが知ってたこともあった。
きっとサプライズっていうか、
隠したり、取り繕ったりするのが、
人よりもほんの少しだけ、苦手なのかもしれない。
けど。
あなたのそういうところ、結構好き。
いつだったか、君からもらった言葉が背中を押してくれた。
それも長所だと思う。
散々面白がってた友人も、しっかり見ていてくれたらしい。
バレるかもしれないし、怪しいなって思われるかもしれないし、
大それたことは出来ないかもしれないけど…。
それでも、みんながいる分、一人だけど、独りじゃないから。
ほんの少しの、なけなしの勇気を振り絞って話すから、僕の話を聞いてください。
そしてどうか、最後まで見守って頂けると幸いです。
