結婚した二人のあるべき形
好きだよ。
その一言が、どうしても言えなかった。
変なプライドが邪魔をして、あるいはかっこつけたりして。
突き放すようなことを言ってしまったり、
泣かせてしまったこともあるし、
ごめんの一言さえ言えない日もあった。
君の悲しそうな顔を見て、ああ、またやっちゃったなって、いつも後悔して。
本当は大好きなのに。
君に「好きだ」って言うことが、こんなにも難しいだなんて思ってなかった。
私のことを好きでいてくれてるのは、わかってた。
わかってるけど、言葉にしてほしかった。
なかなか言ってくれない彼に、わたしのこと好きなの?って確かめたりもして。
自分は言わなくてもわかってよ!って言うくせに、
言ってくれなきゃわかんない、なんて怒ったりして。困らせたりもしちゃったね。
ぐっと堪えてる顔を見て、ああ、またやっちゃったなって、いつも後悔して。
本当は大好きなのに。
思うようにうまくいかない日々に、ため息をついた。
だけど、今日のこの日をきっかけに、変わっていこうと思うんだ。
一緒にいてわかったことがある。
2人の間に背伸びもプライドもいらないってこと。
言わなくても伝わる確かなものがあること。
だけど時々、大事なことは言葉にして伝えること。
要するに、歩くスピードを合わせればいい。
どっちかが遅かったら待ってればいい、速かったら追いつけばいい。
ありのままの2人でいることが、2人の在るべき形だってこと。