好きになった人
「あなたはお父さんみたいな人を好きになったのね」
どこかでそう思っていた
けど誰にも言うことのなかったことを
母に言われた
やっぱり母は1番良くみているなぁ と
関心している自分がいて
お父さんと似ている人を好きになった自分に
少し照れてしまう
前に お父さんのどこが好きなの?
と母に聞いたときに
「笑顔がかわいいところかな」
と言われたことを なぜ記憶力の悪い私が覚えているのか
でもそれだけは何年たっても忘れられなかった
私も大人になって 彼が私の実家へ挨拶に来て
険しい表情の父から だんだんとお酒も進んで
いつも通りの父になってきた
もともと目が細い父だから
似顔絵を書いたら目は一本先で書けちゃうくらい
笑顔が出てきた父にほっとした私の隣には
同じくらい目を細めて笑っている人がいた
一緒に過ごす毎日に
安心する笑顔があるのはきっと
どこか似ているからかもしれない
”お父さんのような人を好きになる”
そんなこと なかなかないと思っていたのに
私が選んだ人は
お父さんのような優しくて
かわいい笑顔の人でした