【ウエディングSTORY】色づく世界
愛想がない。
一匹オオカミ気質。
自覚もあるし、きっと周りからもそう思われている。
そんな私が今日この日を迎えられるなんて、誰が予想していただろうか。
休日はゆったりのんびりお家でぼーっとして過ごして、
誰にも会わない１日だって全然苦じゃない。
ひとりでいるのが楽すぎて
この自由を手放すのが惜しいと感じていた私は、
「絶対結婚なんてムリ。誰かと一緒に住むなんて考えられない！」
なんてしきりに言い続けていた。
色々な場所に出かけて 新しい人たちと出会って
いつも活発に過ごしている人たちを見ると、
それはそれで素敵だなあと思うけれど。
私は私で、平穏であまり変化のない、
例えば色でいうならば灰色のような、
単調で落ち着いた日々が気に入っていた。
「もっと外に出なよ！」
「新しいことしなよ！」
なんて言われたって、平穏さを求める私は
多くの色を求めてはいないのだから。
たまにふらっと気まぐれに出かけるぐらいが丁度良い。
ひとりでいたって充分幸せ。
でも、あなたと一緒に過ごす時間はちょっと特殊だった。
あなたと一緒にいるとき、見える色は確実に変わってる。
それは決して今までのような灰色ではないし、
かと言って目が眩むほどの色が溢れているわけでもない。
ひとりみたいだけど、ひとりじゃない。
不自由なようで、とても自由。
そんな不思議な存在のあなたに
「いっしょに生きていきませんか」
なんて言われたら、
その手を取らないという選択肢なんて私にはなかった。
灰色の世界に色を落とした、あなたの手を。
たくさんの大切な人に祝福されて過ごすカラフルな世界。
あなたと一緒なら、こんなに居心地が良いんだ。
