おばあちゃんの手
おばぁちゃんは昔から
私のことを私より喜んでくれる人だった
運動会で1等賞をとった時
学芸会で主役を演じた時
大学に合格した時
就職が決まった時
そして結婚式をすると決まった時
いつもおばあちゃんは私の手を握り
何度も何度も“おめでとう”と言ってくれた
握られたおばぁちゃんの手はとても温かくて
私はお祝い事よりも おばあちゃんに手を握ってもらえることのほうが
ずっとずっと嬉しくて 私も何度も何度も“ありがとう”を言った
結婚式当日は本当にあっという間にやってきた
たくさん準備をして たくさん悩んで過ごした日々も今日で最後
どうやったらみんなに楽しんでもらえるだろうと
パーティーの内容はずっと悩んでいた
でも一つだけ最初から決めていたこと
それは おばあちゃんと手をつないで歩くこと
突然おばぁちゃんを呼んだからびっくりしちゃってたね
歩きながら私たち二人はずっと
“おめでとう”と“ありがとう”を繰り返す
昔と変わらず おばぁちゃんの気持ちが
繋がった手から伝わってきた