ここは私の特等席
ピエトラセレーナのパーティーは
アットホームが叶うだけに
ご用意される座席の距離も近いもの
はじめて隣り合わせになれば
誰しも 緊張する瞬間がおとずれるものですが
目と目が合えば 自然と微笑み合えるのは
そのすぐ もっと近くに
主役のおふたりが居てくれるから
椅子の背もたれに手をかけて いつもの声で
「お料理どう?お口に合う?」って新郎さん
ドリンク片手に よくお似合いのタキシード姿で
いつもより幸せそうな笑顔
お料理のおいしさに自信があるから
まるでシェフみたいに 食べ方の順番まで
教えている彼の様子をみて
くすっと微笑む新婦さん
きっとこの先も こんなあたたかさで
旦那様を支えていくんだろうなぁ って
嬉しくなる瞬間が目の前に
ここは私だけの特等席
ドリンクカウンターが近くて
お酒好きのゲストがバーテンダーさんに
話かけている声が聞こえてくる
「私に似合うカクテル作ってください」なんて
内気な私が聞いてみるには少し勇気がいるなぁ…
でも この機会に言ってみようかな…
なんて迷っていたら 突然
ピンク色の可愛いカクテルが目の前に!!
ここは私だけの特等席
陽気な音楽で 酔いしれる私にこっそり
ピアニストがウィンクしてくれた
愉快なエンターテイナーに手をとられ
なにやら楽しい列車の先頭に選ばれた!
ここは私だけの特等席
震える手で 思いの丈を綴った手紙を読む花嫁様の
視線の先にいるお父様の頬を伝う涙が
きらりと輝いて見えた
ここは私だけの特等席
窓の外に生い茂る緑の木々たちが
まるで「おめでとう!」って言ってるみたいに
風に揺られて 笑ってみえた