ラブレターを…
小さな頃の夢はお嫁さん。
「パパのお嫁さんになる!」
小さな頃はよく言っていたらしい。
そんな私を見て、父はいつも満面の笑顔。
母はそんな姿を見るのが、何より幸せだったという。
時は経ち、思春期を迎えた私は
父のことが嫌いになり
母のことを鬱陶しく感じていた。
両親は思春期の娘に必死で向き合ってくれたことだろう。
成人を迎え、家を出た私は、
毎日ご飯を作って、家をきれいにしてくれていた母の
ありがたみを身に染みて感じた。
何十年も家族の為に、必死で稼いで子供を育ててくれた父を
誇りに思った。
そして、社会人として数年後、
最愛の人と出会って結婚が決まった。
両親は彼との結婚を快く受け入れてくれた。
そして、結婚式当日の朝。
久しぶりの実家を満喫し、教会へ向かう私に
母が朝食を作ってくれていた。
久しぶりに父と母と食卓を囲み、
朝食を食べていると、母が嬉しそうに
「今日あなたの夢が叶うのね」と一言。
父は何も言わずに微笑んでいた。
なんだか、わからないけど、涙がでそうになった。
両親が大切に育ててくれたこと、今日お嫁にいくこと
どんな気持ちなのか、想像もつかないけど
笑顔のふたりを見て、感謝の気持ちが溢れてきた。
今日の結婚式では、照れくさいから
両親に向けて手紙を読むか迷っていたけど、
やっぱり伝えよう。
泣いたっていいんだ、
涙で化粧がとれても、直せばいいよね、
誰よりも愛しい二人に
私からの最初で最後かもしれない
ラブレターを…