いってらっしゃい
ある朝
お買い物へ出かけようと外に出ると
まだその体には大きすぎる
真新しいランドセルを背負って
お母さんの手をしっかりと握って
ゆっくりと足を進める
子供たちを見かけた
今までとは違う
新しい環境への
少しの不安
でもそれ以上の
夢と希望を胸に抱えた表情で
しっかりと前へ進むその姿に
感動と懐かしさを憶えた
まだあの子が小さかったとき
きっと私は本人以上に
不安を抱えていたのだろう
毎日
「気をつけてね いってらっしゃい」
を言いドアが閉まる度
落ち着かない気持ちになっていた
その分小さな成長が
こんなにも嬉しいものなのだと
教えてもらった
今あの子は
また新しい環境へと
期待と不安を抱えながら
進もうとしている
気をつけてね
いってらっしゃい