【ウエディングSTORY】おばあちゃんのお菓子
よく、「おばあちゃんっこ」なんて言うけれど
私は典型的なそれだったように思う。
実家から30秒、右に歩けば着くおばあちゃんの家。
小さい頃は実家よりも
おばあちゃんの家に多くいた気がするくらい。
おばあちゃんは私がお家に入るなり
「まなみが大好きなチョコレートがあるよ、おいで」
とお菓子で私を中へ招き入れる。
どこからそんなに出てくるのだろう?というくらいの
お菓子、お菓子、お菓子、、、、私の大好きなチョコレートから
自宅では中々出ない渋いお菓子。
ABCビスケットやルマンド、かりんとう・・・
(歌舞伎揚げはおばあちゃんの影響で好きになった)
当時は、こんなにおじいちゃんとおばあちゃんで食べるんだ、
なんて思っていたけれど
それはもちろん私の為の買い置きだった。
お誕生日には、ホールのチョコレートケーキを買ってくれて
「全部一人で食べていいよ!」なんて。
大好きなチョコレートのホールケーキだったから
本当に誰にもあげずに 独り占めして食べたことを覚えている。
成長するに連れて、友達との時間が増えて
おばあちゃんの家へ足を運ぶ機会は少なくなった。
「まなみ、お菓子食べにおいで」と誘われても
「勉強しなきゃいけないから、今度行くね」なんて。
実家が引っ越しをし、祖母の家からまた足は少し遠くなり
私が実家を出てからは
一年に何度か会うくらいになってしまったおばあちゃん。
それでも、その一年に何度かしか行かない私に
おばあちゃんは同じように声をかけてくれる。
「まなみ、お菓子食べな。たくさんあるよ」
でもねおばあちゃん、今日は独り占めはしないよ
今日はおばあちゃんにも幸せのおすそ分け
いいの、おばあちゃんは座っていて
私がおばあちゃんの好きそうなデザートを取ってきてあげる
おばあちゃんの満面の笑みを見て
今日の美味しいウェディングケーキやデザートももちろんいいけれど
おばあちゃんセレクトのお菓子が少し懐かしくなった
そんな、幸せで懐かしい香りがする一日
おばあちゃん、来てくれてありがとう