よろしくね
「年末年始は うちの実家で すごさない??」
言い出したのは君の方だった。
去年までは それぞれの実家で家族や気の合う仲間たちとの時間を
過ごしてきたのだけれど。
君と結婚することを決めてからは何かと忙しい日々だった気がする。
でも、忙しいのは忙しいのだけれど嬉しい日々だった。
実家に向かう 車の中で少し緊張している僕を見抜いて
ずーっと クスクス笑ってる。
「ただいま」 「おかえり」 という当たり前の会話だけれど
なにか特別な感じがして照れ臭かった。
「よく来たね ゆっくりしていってね。」
「寒かったろう ストーブに当たりなさい。」
きっと君の優しさや明るさ ってこの家族から育まれたものなんだ。
君のお母さんの手料理は 本当に美味しくて、君の料理上手は
お母さん譲りだというのが よくわかりました。
夜中 君のお父さんと 男同士で飲んだお酒は格別だった。
君の生まれた時の話や 僕の家族のこと
そして これからの事・・・
お父さんが言った
「これからも どうぞ娘をよろしく」
という一言に改めて身が引き締まる想いがした。
明日の朝 照れ臭いけど 大事な言葉を君に伝えよう。
「これからも どうか よろしく」