隣の席
日が差し込む窓辺の席
そこは私のお気に入りの席
授業中何気なく外を見ると
色んな景色が見えた
春は満開の桜
夏は青々とした葉
秋は色とりどりの紅葉
そして冬は枝に積もった雪
そんな景色を眺めるのが好きだった
11月の中旬
その日も同じように
ただ何となく外を見ていたら
突然雪が降り始めた
あ、雪
思わず小さな声で呟いてしまった
きっとみんなには聞こえていないだろうと思ったのに
隣の席に男子が、ほんとだねって同じく小さな声で話しかけてきた
今までほとんど話したことは無かったのに
急なことに驚いていると
いつも外見てるよね
って言われて更に驚いた
見られているなんて全く思っていなかったから
(後から聞いた話によると、かなり前から気になってたらしい笑)
その男子から付き合ってほしいって
告白されたのは、その約1か月後のクリスマスの日だった
いつも外を眺めながら、笑ったり、切なそうだったり
いろんな表情をするのを好きになったんだって
そしてその告白の日から数年
隣の席に座っていた彼は
今日も私の隣に座っている
あの日振っていた雪と
同じ色の服で