娘と母の結婚式~bride side~
私が産まれたとき、お母さんはまだ若かった。
おじいちゃんおばあちゃんにはやっぱり反対されて
それでもお父さんと一緒に頑張って育てようって決めて
産んだんだよって教えてくれた。
学生のときはその話を聞いても特別な思いは無くって
「お母さん、若くてきれいだね」って言われるのがちょっと嬉しいくらいだった。
高校生の時に初めてできた彼氏を自分の家に連れて行った時
お父さんはちょっと緊張気味だったけど
お母さんはなんだかニヤニヤしてて。
私がいない隙に彼氏となんだかこそこそ話していたみたい。
私のことを話していたのかな。
ふとその時のことを思い出して、隣にいる彼に聞いてみたら
「君のことを聞かれたから正直に答えたら、お義母さんはニヤニヤしだしたんだよ」って。
「続けて、『娘の事をよく見てくれているのね』って言ってたよ、当たり前だよねー好きなんだもん」
なんてゆっくりした口調で。
あぁ、バカ正直とも言える彼の事だから
きっと他の人が聞いたらのろけ話のようなことを言ったんだろう。
母がニヤニヤするのは
なにかを見透かしている時の「癖」。
もしかしてあの時に気付いていたのかな?なんて。
今日、私はあの時の彼と結婚します。
お母さんが私を産んでくれたのと同じ、この歳で。
どんなに大変な思いをしていたか
どんなに自分たちの時間を私への時間につぎ込んでくれていたか
今になってようやくわかる気がする。
自分の好きな仕事をして、仕事が終わったら友人や彼氏と遊んで
休日は自分の趣味の時間。
この時間を、全て私の為に使ってくれていたなんて
感謝してもしきれないよ。
だからこれからはお母さんもたくさん楽しんで
自分の時間を大事にしてね。
今日はお母さんもお父さんも、誰よりも楽しめるように準備してきたんだから
一杯食べて、一杯飲んで、一杯笑ってね。
ちゃんと感謝の気持ちもしっかり伝えられるように
プランナーさんと考えたんだよ。
きっと私が幸せになる事がお母さんにとっての幸せだと思うけど
それは私にとっても一緒。
これからはお母さんの幸せが、私の幸せ。