【結婚式の物語】 伯父さんの部屋
私の父には 3つ上の兄がいる。
私にとっては「伯父」に当たる人だ。
多趣味で、アクティブ。
好きなことにはとことんマニアックで
色々な物を持っている。
父の実家の一室、伯父の部屋は
小さなころの私にとって ワンダーランドだった。
何本もあるギターにベース、そしてキーボード
綺麗にディスプレイされたタバコの箱
大きなテレビにファミコン
(ソフトだってたくさんあった!)
当時私の家には無かった、リンゴマークのパソコン
一部は芝生が敷いて合ってミニゴルフが出来るスペース。
私は伯父の部屋が大好きだった。
父の実家へ遊びに行く度に、自分の部屋に忍び込む私に
嫌な顔せず、色々な遊びを教えてくれた。
何度も「もっかい!」とせがむ私に
また~?なんて言いながらトランプゲームに付き合ってくれたり
小さな私でも出来そうなファミコンのゲームを買ってくれていたり
私のリクエストで、得意な絵を何枚も書いてくれたり・・・
いまじゃ私のかけがえのない趣味になったギターだって教えてくれたのは伯父だった。
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これを思い出したのは
伯父から結婚式の返信はがきが戻ってきた時。
私が大きくなるにつれて、少しずつ父の実家へ行くことも減り
「遠慮」を覚えたことで 伯父の部屋に立ち入る機会は
ほとんど無くなってしまった。
伯父さんのことが大好きだったのに、連絡も取らなくなってしまって。
久々に会って結婚の報告をした時は、泣いて喜んでくれた。
結婚式に参加してもらえるなら
少し広がってしまった距離を、何とか縮めたい。
明日、どうしたら良いか相談してみようかな。
きっと、いい方法が見つかるはず・・・