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誰も知らないウエディングSTORY 

 

結婚式。

あたたかな光と幸せに包まれるその一日。

幸せの中心にいるのは、今日の主役のお二人。

お二人が目指していたのは、笑いの絶えない楽しい一日。

無事にエンディングを迎えられて、その空間は幸せに包まれていた。

お二人がゲストの方をお見送りしている最中、

お連れ様を待たれている方と少しだけ、お話をさせて頂きました。

「 あの子たちは、もう心配いらないのかもしれないね。

こんなにたくさんの幸せに囲まれてるんだから、きっと大丈夫。

なんたって、私の子供なんだもの。

とっくの昔に手を離れているのに、少しさみしい気持ちはあるけれど…。」

パーティーの始まりから、いや、もっとずっと前から。

お二人を誰よりも優しい目で見守っていたお母様からだった。

命を授かった瞬間から、大事に大事に育ててきた、世界でたった一人の子供。

たっぷりと愛情を注いできたかけがえのない宝物。

私に子供がいたことはないから、その気持ちはわからないけれど。

きっと自分の両親も、形は違えど同じ想いでいたんだろう。

頭の中に両親の顔が浮かんで、無性に会いたくなった。

それからお母様は、こっそりと耳打ちで教えてくれた。

「 実はね。もう1つ嬉しいことがあって。

主人の笑顔を見るのが久しぶりなの。

いっつも気難しい顔して仕事してるんだもの。

あの人、あんな顔して笑うんだ・・・」

お母様の視線の先には、満面の笑みを浮かべるお父様の姿。

久しぶりに会う親族のおじさまたちと、肩を組み合って談笑している。

そういえば今日、ここにいらしたときのお父様の表情は強張っていた。

それが今となってはどうだろう。まるで別人かと思うくらい、童心にかえったかのような笑顔。

 

お父様|ピエトラセレーナ

 

階段の上からお母様を呼ぶ声がする。

お支度を整えたお父様だった。

…お母様の最愛の人だ。

「呼ばれたから行ってくるわね、今日は本当にありがとう」

そう言って手を振り、着慣れない留袖で小走りで駆けていくお母様の笑顔は、

もしかしたら今日一番に幸せそうだったのかもしれない。

恋をしている女性の顔だった。

会場の反対側には、幸せそうなご両親様が当然のようにもう一組いらっしゃるわけで。

 

ご両親様|ピエトラセレーナ

 

子供が何年たっても子供であるように、

お母様の最愛は何年たってもお父様なんだろう。

なんだか私も嬉しくなって、目頭が熱くなった。

思いがけないところから、お二人が蒔いた幸せの種が芽を出して、花を咲かせているのです。

きっと、ご本人様たちは知らないのでしょうけれど・・・。

どうかお二人と、お二人を囲む全ての方々がこの先もずっと幸せに包まれていますように。

 

 

 

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