父との想い出
私の実家の目の前にクリーニング屋さんがあって
その隣に3つの自動販売機が並んでる。
幼い頃、夜ご飯の食べ終わりに
「なんでもいいからジュース買ってきて」
とお父さんのポケットから出てきた500円玉。
運動もしていないくせに、お父さんが好きな飲物はスポーツ飲料。
お遣いついでに、私のジュースも買う。
お父さんへお釣りを戻す時、100円だけ自分のポケットへ勝手にお小遣い。
私はこのことを「ジュース貯金」と呼んでいた。
結果、お父さんへ戻るのは200円。
そしてお父さんは「少ないべや。200円どこいった?」と言いながらお釣りをポケットに戻す。
ジュースを買いに行くたびにこの流れで 、そしてお釣りの金額を分かっているのに毎回聞いてくるお父さん。
先日、レンタルされたお父様のご衣裳を片付けている時に
左のポケットには数枚の硬貨、そして右側には小さくくるまったティッシュ。
硬貨を見ながら、自分の幼き頃を思い出し
ティッシュはお父様が感動されたときに使ったのかな、なんて思いながら…
童謡の【不思議なポケット】
ビスケットは出てこないけど、お父さんのポケットって何か不思議。
お小遣いや感動の跡、時にはポケットで手を温めてくれるときもあったり…
結婚式のお手伝いをしていると不意に昔の記憶が蘇える。
温かな気持ちになるお仕事だと今日も想う。