【ウエディングSTORY】渚のアデリーヌ
家族そろってリビングで過ごすことが多かった私の家では
よく親の思い出話を聞いていた。
お父さんの仕事遍歴。
自分の父親ながら、自由な人生を送っていて、カッコイイと思った反面
その父親を支えていた母親の苦労を想像すると、私には到底マネできないな・・・とも感じた。
そして、私がこの職業に就いてからよく聞くようになったお話し。
それは
「親の結婚式のお話」
自分たちの時は親族も多くて大変だったこと、
新婚旅行はみんなでディズニーランドに行ったこと、
実は結納もしっかり行っていたこと・・・・・etc
ある日、母親が嬉しそうに話してきた。
たまたま、テレビから流れる曲を聴いて
「お母さんの思い出の曲は、これなのよ。」と、話し出す母親。
「どうして?なんの思い出の曲なの?」
そう聞く私に「結婚式で使った曲なの。この曲で入場したのよ。」と話してくれた。
何年経っても思い出の曲は色褪せることなく
その人の中に生き続けるんだと感じた瞬間
いつもの母親の顔から、女性の顔に変った瞬間